五 五 十 二 八 十 一 九 十
( ご ご じゅう に はち じゅう いち く じゅう )

青森県支部理事 前田 正寿
教育相談とはいったい何なのでしょうか。久々にこのことについて考える機会がありました。教育相談に携わって約40年弱。分からないことだらけです。私の師匠から「分らなくなったということは、
分かってきたということだよ」と教えていただいたのを思い出します。私は、教育の場に身を置いたときから教育相談を始めました。
きっかけは私の父でした。青森県の教育相談の立ち上げに関与した父は、私に「これからの教育は教育相談が大きな力となる。お前みたいな短気な者は教育相談を学ぶべきだ」と言われ、研修を積むことになりました。まさしくこのきっかけは
たくさんの先輩、同志を得て、いろいろなことを教えていただきました。 現在再任用となり、教育界はものすごいスピードで展開されていると感じました。ICT教育は最たるものです。既にICT無くして教育は成り立たないのかもしれません。先日公開授業でICTを
活用した授業を参観して、ハッとしました。授業はほとんどがICTを介したコミュニケーションでした。発表ができない子にとっては、ICTはとても活用度があるということは分かります。しかしこれで良いのでしょうか。私たちは、人と人との接することで関係が
生じます。これがきっかけでさらに関係が深まったり、新たな出会いもでてきたりします。相手と話しをして、好感をもつ、嫌いになる。声のトーンから相手の状況を察したり、顔の表情や身体の行動から雰囲気を感じたり読み取ることができます。
人は大昔からこのようなことが行われてきました。時代とともに変えていかなければいけなこと。変えてはいけないこと。まさしく「不易と流行」です。教育相談の技法も10年前と現在では違います。時代は進化しているのですから、当然人間も進化しています。
だから学ばなければいけないのです。学ぶ場はこの学会が一番の近道です。同志もいるのが何よりです。本や画像はたくさんあり、学ぶことはできます。教えて倦まずであればさらに私たちは成長できると思います。と同時に人間としての接し方も学んでいかなければ
いけないと思うのです。「来即迎、去即送、対即和。五五 十、二八 十、一九 十。長短一味。事に臨んで心動かすことなかれ。」鬼一法眼の言葉です。相手が五の力をもっていれば自分も五の力を出し合わせて十にする。相手が二であれば八の力を、一の力であれば
九の力を足して十にすることでさらに力が深まると同時に、新しいものができる。長所と短所は紙の表裏と同じだ。相手と自分の一九は逆も成り立つ。ここだと決めたら心を動じず、物事をつきすすむのだという意味です。「自分の教育相談にもこんな力があればなあ」ふとこの言葉を思い出しました。
2022年10月10日
過去のごあいさつ文
《2021年以降のごあいさつ文は、下をクリックしてください》
2022年 6月 原 理事
2022年 1月 蒔苗 理事
2021年10月 小玉 理事長
組織・役員
- 理事長
- 小 玉 有 子 (北海道・東北ブロック代表理事)
- 理 事
- 櫛 引 健 (認定担当)
原 穣 (研修担当)
前 田 正 寿 (認定・研修担当)
工 藤 雅 督 (広報担当)
蒔 苗 隆 文 (災害対策担当)
木 村 浩 (研修担当)
- 監 事
- 明 本 洋 子
珍 田 洋 子
- 事務局長
- 工 藤 雅 督
- 事務局
- 大 場 綾 夏
三 浦 丈
藤 田 彰 子
山 口 繁 弥
佐 藤 春 香
日本学校教育相談学会(JASCG)青森県支部
学校教育相談の実践を通して、研究・研修等を行い、会員相互の資質の向上と青森県学校教育相談の普及・充実・発展に寄与してまいります。